【コラム】裏地がアルミの防寒着は何故暖かいの？

最近「裏地にアルミをプリントした防寒着」が大人気となっています。
アルミで身体に纏うものとしては、非常時に体温の低下を防ぐ「エマージェンシーシート」も有名で、「アルミ＝暖かい」という認識が徐々に広まってきていますが、多くの人が「アルミが身体を暖かくする原理」というを知らないのではないでしょうか。

この記事では、そんなお悩みの方に向けた情報を詳しくご紹介致します。

アルミが身体を暖かくする原理

何故暖かくなるの？

赤外線反射力（輻射熱）

じつは、温かいものは全て赤外線を放っています。
より詳しく言うと、絶対零度（それ以上温度が下がらない温度）以上の温度があるものは、全て赤外線を放っています。
人間も体温があり温かいので、常に赤外線を放っているんです。

アルミはこの赤外線を反射する能力が高く、人体が放出する赤外線の約90％を反射すると言われています。
アルミ自体が発熱する訳ではありませんが、アルミで包まれた空間の中で赤外線が反射し続けることで、徐々に体温が上がっていき、暖かいと感じられるようになるんですね。

裏地アルミの防寒着の構造

裏地アルミの防寒着は、３つの異なる素材を組み合わせて防寒性能をアップさせています。
構造としては、このようになっています。

外気｜【防風・防雨素材】｜【断熱素材】｜【裏地アルミ素材】｜身体

外気の寒さに対しては、
①防風・防雨素材で雨や風が内部に侵入しないようにする。
②断熱素材で、外気に触れている部分の冷たさを内部に伝わらせないようにする。

身体の温かさに対しては、
①裏地のアルミ素材で赤外線を反射して体内の熱を逃がさない。
②放出してしまった熱を断熱素材で出来るだけ身体の近くに留める。

という構造で防寒性能を保っています。

実は魔法瓶も同じ構造？

魔法瓶は内側の金属びんと外側の金属びんが繋がって二重構造になっていて、その間の空気は真空状態になっています。
真空の空間では、暖かいとか冷たいといった熱は伝わらないので、この「真空層」が断熱材の役割をして中の食材の温度を保っています。
なので、魔法瓶も構造としては裏地アルミの防寒着と同じです。

アルミの魔法瓶構造は住宅にも活用されています！

住宅の外壁にもアルミの効果が活用されています！

アルミは防寒着だけでなく住宅にも使われていて、裏地アルミの防寒着や魔法瓶のように３つの素材を組み合わせて遮熱・断熱性能を大幅にアップさせています。
構造としては、このようになっています。

外気｜【アルミ材】｜【断熱材】｜【アルミシート素材】｜空気層｜既存外壁

外気の寒さに対しては、
①アルミ材で雨や風が内部に侵入しないようにする。
②断熱材で、外気に触れている部分の冷たさを内部に伝わらせないようにする。

室内の温かさに対しては、
①既存外壁から放出される赤外線をアルミシートで反射して、壁を冷やさない。
②既存外壁とアルミ壁で２重構造にすることで、既存外壁の遮熱性能を大幅にアップさせる

アルミの壁も魔法瓶と同じ構造で、外気の冷たさが内部に伝わらないようにして、内部の暖かさが外に逃げないようにしています。
既存外壁の上からアルミの壁を張ったら、室内温度が３℃も変わったという報告もあるんですよ！

アルミで家の外でも、家の中でも暖かく。

「裏地アルミの防寒着・魔法瓶・アルミの外壁」様々なところで活用されているアルミ。
今回は、アルミの赤外線を反射する効果について特に詳しく解説させて頂きました。
アルミは加工性も高く、サビに強くて軽い高性能な素材なので、これからどんどん新しい商品が生まれ続けると思います。
あなたも、この機会にアルミ製品をご自宅に取り入れてみては如何でしょうか？